Clinicafe ♯2

クリニック+カフェ 医療以外もつらつらと書きます‥‥

初めまして ~ アンチエイジングで120歳?

   今日は2月2日。手で示すとVが二個、あるいはピース×2。縁起がよい日ということで、ブログを始めます。

 はじめまして、東京で整形外科を開業する田中と申します。実は10年前に開業した際には書いていたのです、ブログを。医療に特化した内容であり、患者さんへのご案内が目的でした。しかし1つのテーマだけではマンネリ化は否めず、地域に何とか根付くことができた(有難いことに!)頃合いをみて断念いたしました。

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 ちょうど10年という区切りを経て、ほかのところ(整形〇〇会とか、〇〇医会・協会などなど)で書き貯めた原稿を少しずつ出してみようと思いたちました。昔のブログ名がクリニック+集うカフェ という意味で「クリニカフェ」だったので、今回は「Clinicafe ♯2」としました。あれこれ考えた結果、誰が書いているか何となく想像できる名前、ということで落ち着いた次第です。

 では、♯2は何なの?これは長くなるのでまた別の機会に。まずは、とある広報紙への投稿をスタートのご挨拶にいたします。どうぞよろしくお願い申しあげます!

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 糖尿病治療薬のメトホルミンが、2016年に世界初のアンチエイジング薬としての治験に入るとのニュースが流れた。120歳まで健康に生きられ、また加齢しにくくなることで他の諸疾患の進行を遅らせる効果も期待できるという。

 骨や筋肉にはアンチエイジング効果が望めそうだが、細胞に乏しい関節軟骨の変性は止められなさそうだとつい整形外科の視点で考えてしまう。また、薬を服用して長寿になる人、自然経過を望み選択しない人、アルツハイマーにならぬよう家族は望むが本人は服用拒否、などいろいろ想定され、同じ地域や宗教の中でも意見が分かれそうだ。もっと想像を広げると、寿命が120歳で健康なのに定年65歳はおかしいとか、社員に薬を飲ませて労働してもらう特区ができたら?とか、こうなるともうSFの世界だ。

 ところで、2015年は「Back to the Future2」の年と言われたのをご存じだろうか。懐かしい映画であり、そこで主人公が1985年からタイムスリップするのが2015年だったのだ。主役を演じ一躍スターになったマイケル J フォックスだが、その後パーキンソン病を発症し研究財団を設立している。もし映画が現実なら、彼は未来にとんでメトホルミンを持ち帰って服用するのか、それとも浮き沈みの激しいハリウッドスターでなく社会活動家としての現在を選ぶのか‥‥

 前述の財団のホームページにマイケルがよせた言葉が印象的で、引用しご挨拶とさせて頂きます。The cures we want aren’t going to fall from the sky. We have to get ladders and climb up and get them.